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教育システム:フィリピンの教育制度

フィリピンの教育制度


フィリピンの教育制度の特徴について詳しく解説!
最近では日本人の留学先として人気が高まってきているフィリピンですが、フィリピンの教育制度は、日本の教育制度とはいくつか異なっています。
例えば、義務教育の期間や学習科目などが異なっており、それぞれ特徴があります。
2013年に義務教育制度の変更があったのが、大きな変革でした。
この記事では、フィリピンの教育制度の特徴について詳しく紹介していきます。

フィリピンの教育制度の特徴

まず、フィリピンの教育制度の特徴について書いていきます。

フィリピンの義務教育期間

フィリピンの義務教育期間は、2012年まで小学校6年間、中学校4年間の合わせて10年間しか行われてきませんでした。
しかし、2013年に教育改革制度改革が行われて13年間に変わりました。
主な変更点は、幼稚園1年が義務教育期間となり、中学校が4年、高校が2年になりました。

現在の義務教育期間は以下の通りです。
・幼稚園1年
・小学校6年
・中学校4年
・高校2年

幼稚園が1年間義務化された点が大きくて、すべての子供は幼稚園に1年間通わないと小学校に入学できません。
小学校に入学して6年間学び続けて卒業するには、幼稚園での教育が大切だと言われています。

学校での使用言語

フィリピンに教育で使われる言語は、フィリピン語(タガログ語)と英語の2つです。
基本的に国語(フィリピン語)と社会(歴史)の授業はフィリピン語で行われていますが、それ以外の多くの授業は英語が行われています。
大学の講義でも、経済・政治・法律などは英語で講義が行われていますが、文学の講義はフィリピン語で行われる傾向があります。

公立学校と私立学校の違い

公立学校とは違い、私立学校では授業料がかかります。
入学の面談時には、授業料がしっかり払い続けられるかどうかという経済面も考慮されます。
また、フィリピンの学校では日本の学校のように教科書の内容が何度も更新されるわけでなく、更新ペースは数年に1回あるかどうかといったところです。

しかし、私立の学校では毎年のペースで新しい情報が更新されるため、最新の内容が学べますが、公立の学校では数年前の古い情報の内容を学ぶことが多いです。
そのため、私立と公立で学力に大きな差が生まれてしまう事態が起きています。

学習科目

科目に関してですが、国語や英語、社会、理科などは日本と変わりませんが、フィリピンでは英語と宗教の時間が多いのが特徴的です。
フィリピンの英語教育は幼稚園から始まり、基本的に小学校卒業まで英語で授業が行われます。
また、フィリピンは国民の約9割がキリスト教のため、キリストの教えに即した道徳教育が大切だとされています。
フィリピンの小学校では歴史の授業が少ない傾向にあり、世界史単独の授業がないので、歴史が苦手なフィリピン人が多いです。
体育の授業は限られたスペースで行える体操や球技、持久走などが多く、多くの学校にはプールがないため、水泳の授業はありません。
音楽は歌や楽器演奏、家庭科では料理や裁縫などを行なう点は日本と変わりありません。

授業料

公立学校の義務教育期間中の授業料は無料ですが、制服や教科書などは別途費用がかかります。
それだけだなく、学校内の施設や特別授業、寄付金、イベント費用などは年間で費用がかかります。
2018年からフィリピンの国公立大学や国立職業訓練校の授業料などが無償化に変わりました。
授業料以外に医療費や図書館、パソコンなどの利用料が無償化の対象になりました。

就業状況

フィリピンの就学率は東南アジアでは高くて、小学校で96%、中学校で65%ですが、小学校の約3割が途中で辞めてしまう課題があります。
小学校卒業後に中学校に進学する割合は全体の約5割で、大学進学は約1割ほどとなっており、途中で辞めていく生徒が多いのが現状です。
そのため、フィリピンでは10人に1人の約400万人が未就学のまま社会に出ていきます。

フィリピンの教育制度が変更された理由

フィリピンの教育制度が変わった主な理由は、学力向上です。
通常は、日本の教育と同じように他の国々でも教育期間は12年間が一般的です。
しかし、フィリピンでは2013年に教育制度が変わるまで、フィリピンの子供たちは他の国が12年間で学ぶ内容を10年間で学んでいたため、国際的に見ても学力の低さが目立っていました。
それが原因で、途中でついていけずに辞めていく生徒が多くいたことが課題となっていました。
また、13年間の基礎教育を条件とする海外の大学に進学できない課題もあったため、2013年に教育制度が大きく変わりました。

まとめ

フィリピンの教育制度は、日本の教育制度と異なる点がいくつかあることが分かりました。
2013年の教育制度に変更に伴い、幼稚園の頃から英語教育が必須になり、授業も英語で行われるようになりました。
その影響もあり、フィリピン人は英語が話せるイメージが定着しているのかもしれません。
また、幼稚園が1年間義務化したのは日本と大きく異なる点でもあります。
まだ教育の課題はあるものの、今後フィリピンの子供たちの定着率が上がれば、国際的に活躍するフィリピン人が増えていく可能性が高まるでしょう。

教育システム/フィリピンの教育制度.txt · 最終更新: 2020/10/28 16:47 by ryugakupedia