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教育システム:アメリカの教育制度

アメリカの教育制度


アメリカは世界でも高い教育レベルを誇る

アメリカの教育システムは、世界でも高い水準にあります。
「フルタイム」での教育はすべての州で義務つけられており、州による差を少なくするような工夫がなされています。
2020年度の国家予算ではおおよそ6.8兆円 が教育費にあてられていますが、実際に教育システムに責任を負うのは、州や地方政府などです。
我々日本人など、留学生を含む外国人生徒のリクルートも活発に行われており、大学以上では奨学金取得の方法が多く用意されているのもポイントです。

義務教育

ほとんどの州では5~6歳から16歳までが義務教育となりますが、一部の州では18歳まで義務づけているところもあります。
アメリカは移民や外国人を含むすべての子供に教育のチャンスを与えているため、公立校であれば授業料無料で義務教育を終えることが可能です。
一方で公立校は、英語を使えない生徒が集まったり、多人種になったりすることも多いため、学区によっての教育の質や安全性に差があることも事実です。
実際に、アメリカの中流階級以上の親は、私立校やレベルの高い学区への引っ越しなどを選択することが多いようです。
これは、その州や地方によって大きくばらつきがあるため、事前の下調べが重要となってきます。
また、そういった学校では事前説明会や学校見学への参加が「入学条件」になっていることがあるため、実際に子供が入学する1~1年半前から準備をしていく必要があるでしょう。

アメリカは”グレード制”

アメリカでは、グレード制(1~12)で学年を表します。
日本の場合は小・中・校(6年・3年・3年)となりますが、アメリカでは州によって異なり、一般的に6-2-4や5-3-4となることが多いようです。他には日本と同じように6-3-3や、4-3-5という分け方もあるようです。
また、K-12(ケートゥエルブ)と呼ばれる用語がありますが、こちらはKindergarten(幼稚園)から高校卒業(12th Grade)までの期間を表す用語となります。
K-16となれば、幼稚園から大学卒業までを表します。
さらに、日本で言う高校生および大学生はグレード以外にも呼び名がついており、以下のようになります。

  • 1年生(9th Grade)→Fresh man(フレッシュマン)
  • 2年生(10th Grade)→Sophomore(ソフォモア)
  • 3年生(11th Grade)→Junior(ジュニア)
  • 4年生(12th Grade)→Senior(シニア)


アメリカは州によって学年の分け方が違いますが、この呼び名によってミドルスクール(中学校)に通っていても、「Freshmanだから高校1年生の学年(9th Grade)なんだな」とすぐにわかります。
最初は覚えづらいですが、覚えてしまえば便利な表現です。

コミュニティカレッジを通れば、大学へのステップアップが安価に可能

高校を卒業した後は、いよいよ大学です。
基本的に日本と同じように4年制の大学や短大、専門学校がアメリカにはありますが、その中でも短大(Community college:コミュニティカレッジ)は聞き馴染みの無い方が多いのではないでしょうか。
コミュニティカレッジとは2年制の公立大学ですが、さまざまな年齢の方が通える大学です。
下は高校卒業後18歳から、上は何歳まででも通うことができます。通う学生の目的もさまざまで、4年制大学への編入を目指す者、仕事で使える技術や資格取得を目指す者、興味のある授業だけを受ける者など、多岐にわたります。

コミュニティカレッジの一番のメリットは「学費の安さ」です。
私立や州立の4年制大学へ通えば1年間に数百ドル(数百万円)かかるのが普通ですが、コミュニティカレッジであれば留学生でも数千ドル~約一万ドル(数十万円~百万円ほど)に抑えることができます。
また、アメリカ人はさらに安く学ぶことができ、仕事との両立なども可能なため近年人気が出ています。
そして、優秀な成績を収めれば、4年制大学への編入も可能となります。
基本的には同じ州内の学校が編入しやすいですが、他州の大学も選ぶことができます。
また、授業レベルも4年制大学より低めのため、留学生にとっては「英語習得のチャンスを得つつ、費用を安く抑えられる」選択肢となります。

一方、4年制大学のメリットは?

その教育水準の高さです。
イギリスの”Times Higher Education”(タイムズハイアーエデュケーション)の世界大学ランキング2020によれば、カリフォルニア工科大学(2位)、スタンフォード大学(4位)、マサチューセッツ工科大学(5位)、プリンストン大学(6位)、ハーバード大学(7位)、イェール大学(8位)、シカゴ大学(9位)とトップ10に7つもの大学がランクインするほどです。
その他にも、世界でも有名な大学は多いため、世界中から優秀な学生が集ってきます。
また、優秀な学生に対しては手厚い”奨学金”を用意しているので、世界最高クラスの教育を安価に学ぶことができるチャンスも用意されています。
また、アメリカの4年制大学は、勉強やスポーツ、課外活動を一生懸命に取り組むようなカリキュラムを組んでいるのが特徴です。
「入るのは比較的簡単だが、卒業は難しい」と言われていますが、後の人生で役に立つ”努力癖”がつきやすい環境というのも魅力の一つです。

教育システム/アメリカの教育制度.txt · 最終更新: 2021/02/09 17:05 by ryugakupedia