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教育システム:イギリスの教育制度

イギリスの教育制度

日本と違うイギリスの教育制度!日本から留学するときのポイントも解説
日本の教育制度は義務教育が小学校と中学校の9年間で、その後高校・大学・専門学校などに進学します。
一方で外国には日本と異なる教育制度を持っている国がたくさんあります。
この記事では、イギリスに焦点を当てイギリスの教育制度について解説します。
義務教育は何年なのか、各学校の仕組みや日本から留学する場合のポイントなどについても解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

義務教育

イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドから構成されており、基本的には5歳から義務教育が始まり、16歳まで続きます。
ただし、北アイルランドは4歳から義務教育が始まるほか、イングランドは18歳まで義務教育が続く(2016年に変更になった)など各国によって教育制度に若干の違いがあります。

  • イングランド:5~18歳
  • スコットランド:5~16歳
  • ウェルズ:5~16歳
  • 北アイルランド:4~16歳


また、義務教育ではありませんが、3~4歳の子供は「Nursery School」と呼ばれる保育園に通い、4~5歳で「Reception」と呼ばれる小学校にある幼児向けのクラスに通うこともできます。
なお、イギリスの子供は「Primary School」と呼ばれる小学校に入学する時点でアルファベットを把握しており、基本的な読み書きのスキルも身についているのが一般的です。
小学校は11歳まで続き、その後「Secondary School」と呼ばれる中等教育学校に16歳(もしくは18歳)まで通います。
義務教育が修了したら、中学卒業検定であるGCSE(General Certificate of Secondary Education)という試験を受ける必要があります。 これに合格しなければその次の学校に進めません。

学校年度は日本と同じく3学期制ですが、9月始まりとなっており、地域により違いもありますが、1学期が9月~12月、2学期が1月~4月上旬、3学期が4月上旬8月となっています。
このようにイギリスの教育制度は日本と大きく異なっているのが特徴です。


教育カリキュラム

イギリスの義務教育は、5?16歳ですが、各年齢によって以下のような段階に分かれています。

  • 5~ 7歳(Year1~2) :Key Stage 1
  • 8~11歳(Year3~6) :Key Stage 2
  • 12~14歳(Year7~9) :Key Stage 3
  • 15~16歳(Year10~11):Key Stage 4

この区分に沿って、全国共通のカリキュラムに基づいた教育が行われます。必修科目は以下の通りです。
数学、英語、理科、歴史、地理、技術、情報技術、音楽、芸術、体育、現代外国語、市民教育(日本の公民のようなもの)
なお、Year6とYear9では、それぞれKey Stageテストを受けることになっています。

就学前教育~Nursery~

イギリスの義務教育は基本的に5歳からですが、就学前教育が提供されています。
就学前教育を受ける場合はNurseryと呼ばれる保育園に通うことになります。
対象年齢は3~4歳です。こちらは義務教育ではないため、必ずしも通わなければいけないものではありません。

就学前教育~Reception~

Nurseryを終えると、今度は4?5歳児向けのReceptionという就学前教育を受けることができます。
Receptionは小学校(Primary School)に併設されていることが多く、このタイミングで小学校に入学し、翌年の義務教育開始を迎える生徒がほとんどです。
そのため、小学1年生をYear1として、このReceptionをYear0と捉える場合もあります。

初等教育

初等教育は日本でいう小学校に該当するものだと考えてください。
初等教育は6年行われますが、5?7歳の2年を幼児部、と7歳?11歳の4年を下級部として区分しています。
区分こそされていますが、一部を除きどちらも同じ学校の同じ校舎内に設置されているのが一般的です。

中等教育

初等教育を終えると、11歳からSecondary Schoolで中等教育が始まります。
日本でいう中学校に該当するものだと考えてください。
中等教育は複数の小学校から進学してくる生徒で構成されており、入学試験は基本的にありません。
学校によっては男子校や女子校、カトリック系の学校などもあります。
学年が終わるたびに試験を受けなければいけないほか、最終学年であるYear11の3学期末にはGCSE(General Certificate of Secondary Education)と呼ばれる全国統一のテストを受験することになります。
これは中学卒業検定のようなものでこれに合格して義務教育は修了となります。

義務教育修了後は、進学するか就職するかどちらかを選択することになります。
就職する場合は、Further Education Collegeと呼ばれる、職業専門学校に進み、各職種で働くための勉強を2年間行います。

一方で進学を希望する場合は、Secondary Schoolに残ってSixth Formと呼ばれる学年に進級するか、Sixth Form Collegeという別の学校に移って2年間進学準備教育を受けることになります。
そして、Sixth Form、Sixth Form Collegeの2年目でGCE-Aという全国統一のテストを受験します。
このテストは、大学で専攻する分野の基礎的な知識を問う試験となっており、テスト結果を踏まえて大学に出願することになるため、進学に大きく影響する重要なテストと言えるでしょう。

高等教育

Sixth Form、Sixth Form Collegeなどを修了したら高等教育であるUniversity、University Collegeといった高等教育機関に進学します。
こちらは日本の大学に該当するものだと考えてください。
イギリスの大学は4校を除いて全て国立となっているほか、3年で学士の学位が取れるのが特徴です。
また、専門資格を取得するための課程も用意されています。

学校の種類

イギリスには大きく分けて以下の3種類の学校があります。

  • 公立学校
  • 私立学校
  • ホームスクーリング


公立学校

公立学校は、政府や教育委員会などからの資金によって運営されている学校です。
多くの子供は公立学校に通っており、授業料はかかりません。

私立学校

私立学校は「Private School」「Public School」とも呼ばれており、イギリスには2,500以上の私立学校があるとされています。
公立学校に比べると通っている生徒の数は少なく、また授業料も発生します。

ホーム・スクーリング

イギリスの義務教育は必ずしも学校に就学させる必要はありません。
数は多くありませんが、ホーム・スクーリングとして、自宅で親や家庭教師に勉強を教えてもらっている生徒も存在します。

日本人が進学するには

イギリスへ留学する場合、小学生や中学生なら現地の子供たちと同じように初等教育⇒中等教育⇒GCSE⇒GCE-A⇒高等教育と進むのが一般的です。
また、高校生で留学する場合は、最初から大学進学に向けてSixth FormやSixth Form Collegeなど課程に所属することになります。
現地の生徒であれば2年間かけてGCE-Aの受験準備を行いますが、英語力に自信がない場合などは3年間かけてGCE-Aを受験することも可能です。
そして、すでに日本の高校を卒業している人であれば、大学進学を希望する留学生向けのコースである「ファウンデーションコース」に進学することができます。
ここでは、英語と大学で学ぶ基礎科目の勉強が可能です。
1年間ファウンデーションコースで学んでから大学に進学する流れになります。

なお、イギリスの初等教育、中等教育は多くが公立ですが、公立学校は基本的に留学生を受け入れていません。
そのため、初等教育、中等教育の段階で留学する場合は私立学校への入学となります。
私立学校は学費が発生するのでその点に注意してください。

まとめ

今回は、イギリスの教育制度について解説しました。
イギリスは、6・3・3制をとっている日本の教育制度とは学年の構成が大きく異なります。
また、中等教育修了時点でGCSEを受験するのもイギリスならではの特徴だと言えるでしょう。
イギリスへの留学を検討している人は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

教育システム/イギリスの教育制度.txt · 最終更新: 2021/02/08 17:02 by ryugakupedia