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教育システム:ニューヨーク州の教育制度

アメリカの教育制度(ニューヨーク州)


義務教育前

ニューヨークでは共働きなど家庭の事情で子供の面倒がみれないという親が多く、義務教育前(5歳未満)の子供に対してプレスクールやナーセリースクール、プレイグループ、ベビーシッター、デイケアなど状況や環境に応じて様々な選択枠が多く存在するのが特徴です。
一般的な費用ですが3~5歳の全日制であれば月1000ドル以上が普通であり、子供の年齢が低ければ低いほど預かってくれる施設も少なく費用は非常に高くなります。
ニューヨーク市ではPre-Kと呼ばれる3歳?4歳の児童に対して全日制の保育が無料で受けられる学校が少しずつではありますが増えてきています。

アメリカの義務教育とK12システム

アメリカでは義務教育をK12と呼ぶのが一般的です。
義務教育はK=kindergarten(幼稚園の年長)から始まり、小学校・中学校・高校の計12年間となりGrade1からGrade12となります。
アメリカでは小学2年生という風に言わず2nd Grade(セカンドグレード)というように数字とGradeで表現していきます。
学年が上がっていくにつれ9th Gradeは『Freshman(フレッシュマン)』、10th Grade『Sophomore(ソファモア)』11th Grade 『Junior(ジュニア)』12th Grade 『Senior(シニア)』というような呼び方になりますので覚えておくと良いでしょう。
アメリカでは小学校5年・中学3年・高校4年または小学校6年・中学校2年・高校4年、さらには小学校6年間・中高一貫を6年間など州によって異なりニューヨーク州では前者2つが一般的です。
アメリカの教育制度で注意したいのが義務教育の開始年齢は州によって違うという点と学区ごとによって細かく教育の仕方や考え方、使用する教科書等が違うため学力水準が大きく変わってくるということも知っておかなければいけません。ニューヨーク州では6歳からが義務教育となり、キンダーガーデン(幼稚園)は義務教育ではありません。
しかし、ニューヨーク市になるとLEA(Local Education Agencies Decide)と呼ばれる特別な義務教育年齢を設定している為5歳から通う必要があります。

公立・私立の違い

まずは公立学校(パブリックスクール)に関してですが、基本的には費用は国で賄われているため無償です。
K12の義務教育により地元の学校に12年間通う事になるため受験がありません。なので塾で勉強するという考え方もないのです。
多くの人が学費のことを考えて公立へ通わせます。
一方、私立学校(インディペンデント・スクール)では公立と比べ物にならないくらい費用がかかります。
最低でも200万~300万円、私立の全寮制学校(ボーディング・スクール)のように集団生活を通して成長をサポートするともなれば年間で300万以上です。
一見、学費面だけ見ると富裕層だけが通ってそうなイメージですが、そういう事でもありません私立学校の良い点は多様性(ダイバーシティ)と教育に対する質の高さです。
その為、留学生もダイバーシティの1つとされ歓迎されることがあります。お金に余裕があり少し勉強ができるからという理由で入学させ富裕層だけの集団を作ってしまうのは良くないという考えがあるのです。
本当に優秀な生徒であれば、奨学金を生徒に与えてでも入学してもらいたいという学校側の意向があります。

ホームスクール

そして、アメリカではホームスクールというものがあります。
これは小学生や中学生に関係なく義務教育中であれば大学まで学校へ通わずに自宅で学習が出来るというシステムです。
200万人以上がこのホームスクールを取り入れており、全米50州で認められています。面白い事に日本では学校へ通わないいわゆる『不登校』という言葉が存在しますがこれは日本独自の問題でありアメリカではそういった言葉が存在しません。
主な理由として『子供の増加により質の良い教育を受けられない』『若者の非行やいじめ』など親にとって望ましくない環境を改善したいという思いからホームスクールを選ぶ親も少なくないのです。
完全に自宅の中だけで学習するというわけではなく、学校での部活動への参加もできとても柔軟な形でスクールライフを送ることも出来ます。
現在では、従来問題視されていた自宅での質の良いカリキュラムと教師ですが、インターネットやオンライン授業が復旧してきた事、そしてそれを支援する会社や人々が増えた事によってより良い環境で授業を受けることが可能となっています。
もちろん、ホームスクールから大学進学をすることも可能です。


義務教育後

アメリカの大学には2年制(大学編入プログラム・職業訓練プログラム)と4年制があります。
2年制は4年の大学に比べると入学のハードルが下がり入りやすいのが特徴です。
まず2年制大学編入プログラムでは2年間で4年制の2年までに学ぶ内容を少人数かつ費用を抑えて学ぶ事ができるため、2年間で通ってから4年制大学へ編入しさらに2年間学ぶ人も少なくありません。
また、職業訓練プログラムでは多岐にわたる職業分野から専門知識を学び就職へとつなげるプログラムとなっています。
もし4年制の大学へ編入を希望する場合、必要な単位数が取れていない事がある為大学編入プログラムへ移行させる必要があります。
一方4年制大学では高校時代の成績に加え、提出物状況や生活態度、学校内外でのボランティア活動・スポーツ活動が非常に重要になってきます。
Grade12(高校3年生)の秋頃から願書提出が始まるのですが準備として高校入学時からカウンセラーと面接を行い進路に必要な科目や志望校を話し合うのが普通です。
2017年度から全米で初めてニューヨーク州が州在住者を対象に、全てのニューヨーク州公立大学(州立、市立)の授業料を無償にする『Excelsior Scholarship(奨学金)』制度を始めました。
これは一定所得以下の糧にの学生に適応され、学生はフルタイムであること、そして卒業後は一定期間その州で働くなどの条件があります。

教育システム/ニューヨーク州の教育制度.txt · 最終更新: 2020/10/15 16:53 by ryugakupedia