独立行政法人日本学生支援機構の調査によると、現地アメリカの大学が把握している日本人留学生の数は19,891人(対前年比364人増加) となっています。
※引用元:文部省
アメリカは日本人留学生が行く最も人気の国であり、それは昔から変わっていません。一方、数十年前と比べるとアメリカへの留学者数は減少傾向にあります。
平成26年度(2014年)の文部科学省が公表したデータ では1999年には46,782人の留学生がいましたが、2011年には19,966人と半数以上減っているようです。
しかし、「交換留学」を利用した留学者は年々増加しており、様々な要因が重なって留学者数は減少しているものの海外(アメリカ)への興味は多くの学生が持ち続けていると言えます。
また、留学生が少ない今は他学生との差をつけるチャンスとも言えます。見知らぬ土地で暮らし、英語で授業を受けて大学を卒業した。
そんなアメリカで培われた経験は、就職時にもキラリと光るアピールポイントになるはずです。
では、もう少し違う角度のデータを見てみましょう。“Open Doors 2019 Institute of International Education”によれば、アメリカが受け入れている海外留学者数は1,095,299人と過去最高を記録しています。
約200カ国と全世界から学生が集まりますが、アジアからの留学生が全体の70%以上を占めています。
留学者の出身国ランキングを見ると
1位:中国(369,548人)
2位:インド(202,014人)
3位:韓国(52,250人)
4位:サウジアラビア(37,080人)
6位:ベトナム(24,392人)
7位:台湾(23,369人)
8位:日本(18,105人)
と10カ国中7カ国がアジアの国となりました。
その中でも中国とインドの留学者数は段違いの数で、それぞれ約37万人と20万人のアメリカ留学生を抱え、アメリカ留学生全体の半数がこの二カ国から来ています。
また、アメリカへの留学者数が減少していると言っても、日本もまだまだアメリカへの留学者数は多いようです。
今度は留学生が学ぶ専攻分野のランキングを見てみましょう。
専攻分野では理系科目の”STEM”が人気のようで、トップ5のうちなんと4つを占めています。
1位:Engineering
2位:Math and Computer Science
3位:Business and Management
4位:Social Sciences
5位:Physical and Life Sciences
STEMとは(Science, Technology, Engineering, Mathematics)の略で、これからのIT社会を支える学問といえます。
アメリカはこのSTEM教育に力を入れており、教育水準は世界でもトップクラス。
また、留学生がこのSTEMを専攻分野に卒業してOPT(アメリカで働く許可)が貰えると、STEM分野であれば最長3年まで働くことが可能(他分野は基本1年)となります。
STEMは留学生にとっても大きなメリットがあるため、人気のようです。
唯一、他分野でランクインした”Business and Management“はMBA(経営学修士)取得にもつながるため、人気であると予想されます。
今度は日本人留学生が選ぶランキングをみてみましょう。
日本人に絞ってみると、また違った傾向となるようです。
1位:Other Fields of Study (22.7%)
2位:Business/ Mgmt. (17.9%)
3位:Intensive English (13.5%)
4位:Social Sciences (11.5%)
5位:Fine/ Applied Arts (7.3%)
1位は「その他の分野」となり、日本人留学生がさまざまなことを学びにアメリカ留学を行っていることがわかります。
2位はビジネス系で、やはりMBAなどは日本人にも人気があるようです。
そして、3位は英語の集中講座。やはり留学最大の目的である「英語習得」を目指す学生が多いことを裏付けています。
上記の専攻分野ランキングからも分かるように、留学生の目的は様々です。
大学や大学院(コミュニティカレッジ)などの高等教育から、高校や専門学校、語学学校など、それぞれの目標にあった形で学んでいます。
英語などの勉学を第一としている人はもちろん、ダンスやスポーツに打ち込んだり、芸術に打ち込む人もいます。
また、会社のプログラムの一環として大学に通っている人もいるでしょう。
“Open Doors 2019 Institute of International Education”のデータによれば日本人留学生18,105人の内、大学に通う学生が49.7%、大学院が15.9%、学位取得を目的としていない学生が26.0%、OPT実施中の学生が8.4%という結果になりました。
留学は「多種多様な文化を持つ海外の友達ができる」と言われていますが、同じように日本人でも目標に向かって頑張っている人がたくさんいます。
そんな魅力的な人と出会えるのも、留学の醍醐味の一つでしょう。
同じ”留学生”として助け合うことができる存在。
同じ日本から来ている留学生は、見知らぬ土地アメリカで何よりも安心する存在です。
留学中の苦しみや不安を分かち合ったり、時には助け合ったりと、かけがえのない存在になることもしばしば。
しかし、せっかくアメリカに来ていながら、同じ日本人とばかり過ごしてしまうと目的がおろそかになってしまうのも事実です。
実際に「日本人同士で日々過ごしすぎて、思ったように英語が上達しない。」「現地の友達ができなかった。」というような話は多く聞きます。
また、留学先の地域にもより、例えばロサンゼルスやニューヨークなどの都市部であればなおさらそういった環境になりやすいでしょう。
日本人と過ごすのはとても安心ですが、せっかく留学に来たのであれば、メリハリを付けて現地の学生と交流することで一生の財産になることでしょう。