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奨学金:アメリカで使える奨学金 [2020/08/28 17:00] ryugakupedia 作成 |
奨学金:アメリカで使える奨学金 [2021/02/09 17:32] (現在) ryugakupedia |
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- | ===== アメリカでの滞在・生活について ===== | + | ===== アメリカで使える奨学金 ===== |
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+ | ==== 基本「返済不要」!アメリカ留学を諦めないで ==== | ||
+ | 夢のアメリカ留学で問題になりやすいのが「資金」だと思います。\\ | ||
+ | 生活費に加えて、物価や高額な授業費など、コストが高くなってしまう理由はいくつもあります。\\ | ||
+ | では、アメリカ留学は十分な資金を持つ学生だけが行える特別なものなのか?と聞かれれば、答えは「No」です。\\ | ||
+ | というのも、アメリカ留学では「返済不要」の奨学金を利用できるためです。\\ | ||
+ | アメリカ留学の奨学金種類には「Grant(グラント)」と「Scholarship(スカラーシップ)」があります。\\ | ||
+ | グラントは基本的に米国の低収入・貧困家庭に与えられるもの、スカラーシップは成績や能力が高い学生に与えられるものです。\\ | ||
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- | ==== ・日本との文化の違い ==== | + | よって、私達留学生が狙うべきは「スカラーシップ型」となります。\\ |
- | 日本とアメリカの文化を比べてみると、「マニュアル的」な日本と「合理的」なアメリカと捉えることができます。\\ | + | 奨学金は留学する大学から受け取れるものと、日本の機関から受け取れるものまで多種多様なものがあります。\\ |
- | たとえば飲食店に行った時、メニューに無い要望やカスタムにも個人個人で対応してくれたり、お店では商品の返品が容易にできたりできるのがアメリカです。\\ | + | 奨学金の金額も様々です。\\ |
- | 一方で、日本は電車やバスなどの公共交通機関が決められた時間通りに運行し、どこの飲食店に行っても高いサービスが受けられるのが特徴でしょう。\\ | + | 少ないものでは年間1,000ドルから、多ければ年間数万ドル貰うこともできます。\\ |
- | このように日本は、融通は効きづらいが平均的なサービスの質は高く、アメリカは融通が効きやすいが元々のサービスはあまり良くない、という違いがあるでしょう。\\ | + | 最大額の奨学金を獲得できれば授業料、寮費、食費、生活費のすべてが支給され、ほとんど実費負担無しでの留学も可能です。\\ |
- | また、アメリカでは「自分の非ではない」ことをはっきりとアピールしなければ、意見が通りにくい文化でもあります。\\ | + | また、奨学金獲得のために必要な努力(英語、勉強)が留学後にも必ず役立ちますので、奨学金は必ず狙っていきたいものです。\\ |
- | 特に意見を言う際に謝りの言葉を言って自分の立場を下げてしまうと(I am sorryなど)「謝ったということは非がある」と捉えられてしまい、相手に主導権を握られてしまいます。\\ | + | |
- | そのため、日本の時のように「すみませんが」という口癖は、意識して減らすようにしましょう。\\ | + | |
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- | ==== ・よく言われる「時間にルーズ」は本当? ==== | + | ==== 成績、英語、エッセイ(熱意)が重要。自分自身を存分にアピールしよう ==== |
- | アメリカでの生活は、日本人の感覚からするとルーズだと感じることでしょう。\\ | + | 奨学金を獲得するためには、出資者から(大学や機関など)見て「魅力的な人材」であることをアピールする必要があります。\\ |
- | 日本では電車が数分遅れればアナウンスなどが入り、意識として「1分単位の遅れでもあってはならないこと」という考えがあると思います。\\ | + | 「自分がいかに魅力的か」をアピールするために、以下のものを使います。\\ |
- | その点アメリカは10分単位で時間を考えるような感覚です。\\ | + | ・成績\\ |
- | バスや電車などが遅れることも日常茶飯事で、10分程度の遅れはあまり気にしません。\\ | + | ・英語力\\ |
- | しかし、時間通りに動かなければならない状況もあるため、「時間管理」は日本人が悩まされるポイントかもしれません。\\ | + | ・エッセイ(作文)\\ |
- | **<スケジュールが読めないもの>**\\ | + | ・推薦状\\ |
- | ・バス・電車\\ | + | ・課外活動\\ |
- | ・現地の友達\\ | + | など。\\ |
- | ・DMV(車の免許)、学校の面談・相談、レンタカーなど\\ | + | 一般的な留学生が力を入れるべきは最初の3項目です。\\ |
- | ・宅配便\\ | + | まずは高校や大学、SAT○RやACT○R(現地高校生が受ける学力テスト)の成績で優秀な人材であることをアピールします。\\ |
- | ※個人でサービスを受ける場合に、時間がルーズと感じる場合が多い。\\ | + | 高校や大学の成績はGDP3.5以上(おおよそ5段階評価で平均3.75以上)、SATでは1,600点満点中1,400点以上、ACTでは36点満点中30点以上は欲しいところです。\\ |
- | 宅配便は「本人確認」が必要あるもの以外はドアの前に置かれるのが一般的。\\ | + | |
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- | **<スケジュール通りのこと>**\\ | + | また、英語力はTOEFLでいえば120点満点中、80点を最低条件としていることがほとんどとなります。\\ |
- | ・イベント、映画など\\ | + | もちろん、英語力はあればあるだけ良いので、現状に満足せずに高めていきましょう。\\ |
- | ・学校の授業\\ | + | そして、エッセイ(作文)では大学や留学への熱意をアピールします。\\ |
- | ※大人数で同時に行なうものは時間通りに行われる傾向がある\\ | + | 「私は〇〇な人間で、〇〇にチャレンジまたは能力を伸ばしたいから、〇〇大学を志望します。」と論理的に説明できるようにします。\\ |
+ | エッセイには構成の形がありますので、自分で調べてみたり、先生や教授に相談したり、留学エージェントに相談してみるのも一つの手です。 | ||
+ | それらの重要な項目に加え、「推薦状」を先生や教授に書いてもらい、客観的な評価を貰うと説得力が増します。\\ | ||
+ | また、部活動やボランティアなどの課外活動の実績があればさらなる評価に繋がります。\\ | ||
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- | ==== ・やはり違う「食文化」 ただし都市部は日本食も楽しめる ==== | + | ==== スポーツや芸術分野も可能 ==== |
- | アメリカといえばハンバーガーやホットドッグ、パスタ、ステーキなどの食事が一般的です。\\ | + | アメリカの大学の奨学金はスポーツや芸術分野でも受け取れることができます。\\ |
- | マクドナルドやバーガーキング、個人経営のお店までハンバーガー店は多くあり、ステーキはアメリカンレストランであればほとんどの場所で置いてあるでしょう。\\ | + | もし、特定の分野で能力が高ければ(大学側にとって魅力的であれば)、満額の奨学金を受け取ることも可能です。\\ |
- | そんな”ジャンク”なイメージが強いアメリカですが、健康的な食文化(ベジタリアンなど)も存在しています。\\ | + | 実際に[[http://www.ncaa.org/student-athletes/future/scholarships|NCAA(全米大学体育協会)]]は、年間3,600億円の奨学金がNCAAディビジョン1と2の選手たち約180,000人以上に提供されているというデータがあります。\\ |
- | たとえば、スーパーでは、野菜やフルーツを日本よりも安価に手に入れることができ、バランスの良い食事が摂りやすくなっています。\\ | + | 芸術部門もはっきりとした数はわかりませんが、毎年奨学金を受け取っている学生は多くいます。\\ |
- | また、アメリカは多様な民族と共に、さまざまな食文化を取り入れている国でもあります。\\ | + | それぞれの種目や分野には以下のようなものがあります。\\ |
- | メキシコのタコスは多くの場所で屋台が出ており、火曜日は「タコチューズデイ(タコスを食べる日)」と言われるほど。\\ | + | |
- | また、イタリアン、フレンチ、中華、韓国料理、タイ料理などのお店も多くあり、もちろん日本食も楽しむことができます。\\ | + | |
- | ロサンゼルスやニューヨーク、ヒューストンなどの都市部であれば日本食レストランは何十軒も並び、日系スーパーでは日本のものを手に入れることが可能です。\\ | + | |
- | ただし、内部などのローカルな地域ではやはり少ないため、食文化も地域差があると言えるでしょう。\\ | + | |
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- | ==== ・治安にも差がある 事前の下調べが重要 ==== | + | **[[https://www.topuniversities.com/student-info/scholarship-advice/art-scholarships-around-world|<スポーツ>]]**\\ |
- | アメリカの治安は地域によってかなりの差があります。\\ | + | ・サッカー(日本人が狙いやすい)\\ |
- | 犯罪も日本に比べても断然多いため、「危ない地域には近づかないように」事前の下調べが必須です。\\ | + | ・バスケットボール\\ |
- | たとえば、ロサンゼルスにある日本人街”リトル・トーキョー”は比較的治安が良いとされていますが、歩いて数分足らずで現地の人も近づかない”スキッド・ロウ”と呼ばれる地区があります。\\ | + | ・野球\\ |
- | 土地勘がない状態でフラフラ歩いてしまうと、このように簡単に危険な地区に入ってしまいますので注意しましょう。\\ | + | ・ゴルフ\\ |
- | そして、特に夜中は危険です。\\ | + | ・テニス\\ |
- | 「知らない(安全かどうかわからない)場所に少人数で歩いて行かない」「車で行くとしてもまっすぐ通り抜ける」などの点を意識してください。\\ | + | ・ラクロス\\ |
- | 昼間に安全な地域でも、夜中に出歩くと何が起こるかわかりません。アメリカでは常に危険意識を持つことが重要です。\\ | + | ・陸上(競技によって日本人が狙いやすい)\\ |
+ | ・水泳\\ | ||
+ | ・バレーボール\\ | ||
+ | など\\ | ||
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- | ==== ・こんなところにお金がかかる ==== | + | **[[https://www.topuniversities.com/student-info/scholarship-advice/art-scholarships-around-world|<芸術>]]**\\ |
- | アメリカは、日本ではお金が掛からないところにお金が掛かります。その最たるものが「チップ」です。\\ | + | ・ダンス\\ |
- | チップはご存知の方も多いと思いますが、日本語で言えば「謝礼」にあたります。\\ | + | ・音楽\\ |
- | お店の従業員などのサービスに対して支払うものです。たとえば、サーバー(ウエイトレス)がいる飲食店であれば、一般的に食事の合計額(税抜)に15~20%を加えて支払います。\\ | + | ・演劇\\ |
- | ホテルでは荷物持ちや、ドアマン、ルームサービス担当の方からサービスを受けた場合に、それぞれチップを渡しましょう。\\ | + | ・絵画\\ |
- | お部屋の清掃員用に、毎朝枕元にチップを置くのも忘れずに。\\ | + | ・写真\\ |
- | そして、日常生活でも日本とは違う部分にお金がかかります。\\ | + | など\\ |
- | まず、テレビはケーブル契約をしないとほとんど見られません。映画やドラマ、スポーツなどを楽しみたい場合は必須となります。\\ | + | |
- | プランにもよりますが、一月$40~$80くらいが目安となるでしょう。また、アメリカでは洗濯物を干す文化がないため、アパートなどには共用の洗濯乾燥機が付いているはずです。\\ | + | |
- | しかし無料ではなく、コインランドリーのように利用するたびに$1~$3程度掛かります。\\ | + | |
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- | ==== ・その他、日本人がびっくりする文化 ==== | + | ==== 各大学が用意する奨学金には注意が必要 ==== |
- | そのほかにも日本人がびっくりしてしまうポイントがいくつもあります。代表的なものを挙げてみると、\\ | + | アメリカの多くの大学では奨学金制度を用意していますが、能力さえあれば必ず受け取れるものではありません。\\ |
- | ★トイレのドアに隙間が多い(防犯)\\ | + | というのも、奨学金の申請条件に「アメリカ市民」「アメリカ永住権」「大学ある地域の州民」などがあるためです。\\ |
- | ★閉店していても、電気は付いている(防犯)\\ | + | そのため、各大学の奨学金制度の確認が必須となります。\\ |
- | ★ドライブスルーが多い(車社会)\\ | + | また、能力があっても狭き門であることは変わりません。\\ |
- | ★赤信号でも、車が来ていなければ基本は右折可能\\ | + | そのため、1つずつ申請するのではなく、同時進行でさまざまな学校や機関に申請してみましょう。\\ |
- | ★州によって法律が大きく変わる\\ | + | ただし、エッセイや面接などの準備が必要なため、一月で3つくらいを目安に申請すると無理がないでしょう。\\ |
- | など。\\ | + | そうして奨学金のオファーが出た学校や機関から学校を選んでいくやり方もおすすめです。\\ |
- | 現地に行ってから知るよりも、事前に知っておくとなにかと便利ですので、ぜひとも覚えておきましょう。\\ | + | \\ |
- | 実際に行く土地のルールや文化、治安情報などを調べていくことをおすすめします。\\ | + | ==== アメリカ留学で受け取れる奨学金を紹介 ==== |
+ | ここでは日本から受け取ることのできる、いくつかの奨学金をご紹介しましょう。\\ | ||
+ | 選択肢の一つとして参考にしてみてください。\\ | ||
+ | これらの他にも様々な機関が奨学金制度を扱っていたり、各大学ごとに奨学金を用意していますので、色々と調べてみると良いでしょう。\\ | ||
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+ | ==== ACSA(米国大学スカラーシップ協会日本事務局) ==== | ||
+ | 大学との直接的なネットワークを持ち、独自に交渉を行って「奨学金を出してくれる大学」を紹介する機関。\\ | ||
+ | 学生ごとに学業・スポーツでの奨学金オファーを出す学校を見つけ出すので、留学先の自由度は低い。\\ | ||
+ | 対象は18~25歳の若者向けで、年間200名の定員。\\ | ||
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+ | ==== アメリカ大学給付型奨学金留学プログラム ==== | ||
+ | Educatius International、JAAC日米学術センター、日米会話学院(財団法人:国際教育振興会)の3団体が共同で提供している奨学金プログラム。年齢不問で、留学にかかる費用の30~60%をサポートしてくれる。\\ | ||
+ | 英語力の条件があり、満たしていない場合は国内の提携機関、またはアメリカのコミュニティカレッジに通って英語力を上げるコースが用意されている。奨学金が比較的低めに設定されている。\\ | ||
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+ | ==== フルブライト奨学金 ==== | ||
+ | 日米教育委員会が運営している奨学金。\\ | ||
+ | 大学院に進む学生を対象に、1年目は授業料最大$40,000+生活費・家賃手当を支給、2年目は最大で$25,000まで支給される可能性がある。\\ | ||
+ | 定員は約20名とやや少ない。\\ | ||