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教育システム:オーストラリアの教育制度

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教育システム:オーストラリアの教育制度 [2020/06/09 16:51]
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教育システム:オーストラリアの教育制度 [2020/10/15 16:54] (現在)
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-==== オーストラリアの教育システム ​==== +===== オーストラリアの教育制度 ===== 
- +\\ 
-=== 多文化主義を実現するオーストラリアの教育制度 === +==== 多文化主義を実現するオーストラリアの教育制度 ​==== 
-気候や社会環境など、国によってさまざまな特色が見られる生活様式や教育制度は、各国それぞれ異なります。グローバル化が進む近年、自国を飛び出し、海外に在留して言語や文化、学術・技芸などの専門知識を学ぶ人の数は増加傾向にあります。目的に合った渡航先を決め、留学を成功させるためには、各国の教育制度について理解を深めることが大切ではないでしょうか。多文化社会であるオーストラリアは、日本と比較すると、子どもの自主性や個性を尊重する教育方法が主流です。オーストラリアの教育の特徴と制度を詳しくご紹介します。 +気候や社会環境など、国によってさまざまな特色が見られる生活様式や教育制度は、各国それぞれ異なります。\\ 
- +グローバル化が進む近年、自国を飛び出し、海外に在留して言語や文化、学術・技芸などの専門知識を学ぶ人の数は増加傾向にあります。\\ 
-連邦国家であるオーストラリアの教育制度は、州ごとに異なり、学校やカリキュラム、評価、教員人事など、教育に関する権限は基本的に州の裁量に任されています。義務教育課程から子どもの成長に応じた最適な学びを提供するために、用意されている選択肢が多い点が特徴です。また、学期はタームと呼ばれ、4学期制で、新学期は1月末からスタートします。 +目的に合った渡航先を決め、留学を成功させるためには、各国の教育制度について理解を深めることが大切ではないでしょうか。\\ 
-日本と違い、オーストラリアでは、学年が小学校・中学校・高等学校で区切られていません。初等教育のYear1から中等教育のYear12まで、12年間を通して「Year◯」と呼ばれ、Year1からYear10までが義務教育期間となります。学校の規模はさまざまで、1クラス25人前後で授業が行われ、授業時間は学校によって異なりますが、40~60分単位で午前9時から午後3時までのところがほとんどです。また、春休み・夏休み・秋休み・冬休みの年4回、スクールホリデーがあります。学校体系は、主に以下の3つに分けられます。 +多文化社会であるオーストラリアは、日本と比較すると、子どもの自主性や個性を尊重する教育方法が主流です。\\ 
- +オーストラリアの教育の特徴と制度を詳しくご紹介します。\\ 
- +\\ 
-=== 就学前教育 === +連邦国家であるオーストラリアの教育制度は、州ごとに異なり、学校やカリキュラム、評価、教員人事など、教育に関する権限は基本的に州の裁量に任されています。\\ 
-日本の保育所や幼稚園に相当する準備教育であるキンダーガーテンおよび、3〜4歳を対象としたプレスクールやデイケアセンター、5歳児を対象とした初等学校付設の準備級などが設けられています。 +義務教育課程から子どもの成長に応じた最適な学びを提供するために、用意されている選択肢が多い点が特徴です。\\ 
- +また、学期はタームと呼ばれ、4学期制で、新学期は1月末からスタートします。\\ 
-=== 義務教育 === +日本と違い、オーストラリアでは、学年が小学校・中学校・高等学校で区切られていません。\\ 
-初等教育は、6歳で入学し、 州により6年または7年間プライマリースクールで行われ、Year1からYear6/​7までが日本の小学校に相当します。基本的に、保護者が子どもの送迎をしなければなりません。また、学校もしくは学校付近のコミュニティー・ホールなどで、学校の就業時間外に有料で子どもを預かる日本の学童保育のようなサービスもあります。 +初等教育のYear1から中等教育のYear12まで、12年間を通して「Year◯」と呼ばれ、Year1からYear10までが義務教育期間となります。\\ 
- +学校の規模はさまざまで、1クラス25人前後で授業が行われ、授業時間は学校によって異なりますが、\\ 
-=== 中等教育 === +40~60分単位で午前9時から午後3時までのところがほとんどです。\\ 
-中等教育は、日本の中学校および高等学校に当たり、初等教育が7年間の州では5年、6年間の州では6年、前期・後期一貫のハイスクールで行われます。Year7/​8からYear10の前期中等教育は、州により3年または4年で、終了時に相応の成績を修めた学生には、後期中等教育への進学要件となる前期中等教育修了証が授与されます。また、Year11からYear12の後期中等教育の終了時に、州内統一の後期中等教育修了試験を実施。試験結果と平常の成績に基づき、高等教育への進学要件となる後期中等教育修了証が与えられます。 +また、春休み・夏休み・秋休み・冬休みの年4回、スクールホリデーがあります。学校体系は、主に以下の3つに分けられます。\\ 
- +\\ 
-義務教育の学校は、パブリックスクール(公立校)とプライベートスクール(私立校)に大きく分かれます。パブリックスクールは、基本的に住所によって通う学校が決まる学区制を採用。プライベートスクールには、男子校、女子校、カトリックやアングリカンなど宗教に基づく学校、日本人学校などバイリンガル教育を実施する学校、モンテッソーリ・メソッドやシュタイナー教育といった教育方法を取り入れた学校など、さまざまです。 +==== 就学前教育 ​==== 
-パブリックスクールには制服がありますが、プライベートスクールには制服がない学校があります。また、オーストラリアは年間を通じて紫外線量が非常に多いため、紫外線対策の1つとして帽子が制服の一部となっていることが特徴です。また、「No hat, No play」を基本方針とし、帽子を着用しない児童は、日陰のない場所での外遊びをさせないように徹底されています。強い日差しから目を守るためのサングラスの着用や、登校前に日焼け止めを塗ることも推奨されているそうです。 +日本の保育所や幼稚園に相当する準備教育であるキンダーガーテンおよび、3〜4歳を対象としたプレスクールやデイケアセンター、5歳児を対象とした初等学校付設の準備級などが設けられています。\\ 
- +\\ 
-=== 高等教育 === +==== 義務教育 ​==== 
-高等教育は、主に専門学校や大学で行われます。大学は、準学士や学士などの学位を取得する課程を提供。修業年数は、ディプロマが1〜1.5年、上級ディプロマが2〜3年、普通学位の学士は通常3〜6年で、優等学位を取得する場合は、さらに1年必要です。大学院では、学士取得後に1〜2年以上の修士課程または、優等学位取得後に1年以上の修士課程、通常3〜4年の博士課程が設けられています。大学と大学院は、基本的に2学期制で、入学時期は2月と7月です。年に1回しか入学を受け付けていないコースや、年に数回受け付けているものがあります。 +初等教育は、6歳で入学し、州により6年または7年間プライマリースクールで行われ、Year1からYear6/​7までが日本の小学校に相当します。\\ 
- +基本的に、保護者が子どもの送迎をしなければなりません。\\ 
-オーストラリア国内にある大学の大半が国公立で、学校数自体は40校ほどですが、各校で高水準の教育を受けることができます。アメリカやイギリスと比べると、留学生の受け入れに積極的なこともポイントです。一部規制や条件がありますが、学生ビザを取得し、オーストラリアの大学や大学院を卒業した後、その学習内容を生かすため、卒業生ビザを取得できる可能性があるなど、留学生にとっても学びの環境が開かれていると言えるでしょう。 +また、学校もしくは学校付近のコミュニティー・ホールなどで、学校の就業時間外に有料で子どもを預かる日本の学童保育のようなサービスもあります。\\ 
- +\\ 
-また、大学の他に、後期中等教育段階以上の人を対象に就職や高等教育機関への進学に役立つ職業教育訓練「VET」の資格を提供する機関があります。各州が管轄・運営する「TAFE」と呼ばれる公立の職業専門学校や、正規に機関登録された民間の職業教育訓練機関「RTO」などが挙げられます。そういった機関には、インターンシップが含まれているコースがあり、高校を卒業したての若者から社会人まで、幅広い年齢層の人が通います。 +==== 中等教育 ​==== 
-就学期間は、取得を目指す職業資格の水準に応じて異なり、VET資格の種類と期間は以下のとおりです。+中等教育は、日本の中学校および高等学校に当たり、初等教育が7年間の州では5年、6年間の州では6年、前期・後期一貫のハイスクールで行われます。\\ 
 +Year7/​8からYear10の前期中等教育は、州により3年または4年で、終了時に相応の成績を修めた学生には、後期中等教育への進学要件となる前期中等教育修了証が授与されます。\\ 
 +また、Year11からYear12の後期中等教育の終了時に、州内統一の後期中等教育修了試験を実施。試験結果と平常の成績に基づき、高等教育への進学要件となる後期中等教育修了証が与えられます。\\ 
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 +義務教育の学校は、パブリックスクール(公立校)とプライベートスクール(私立校)に大きく分かれます。\\ 
 +パブリックスクールは、基本的に住所によって通う学校が決まる学区制を採用。\\ 
 +プライベートスクールには、男子校、女子校、カトリックやアングリカンなど宗教に基づく学校、日本人学校などバイリンガル教育を実施する学校、モンテッソーリ・メソッドやシュタイナー教育といった教育方法を取り入れた学校など、さまざまです。\\ 
 +パブリックスクールには制服がありますが、プライベートスクールには制服がない学校があります。\\ 
 +また、オーストラリアは年間を通じて紫外線量が非常に多いため、紫外線対策の1つとして帽子が制服の一部となっていることが特徴です。\\ 
 +また、「No hat, No play」を基本方針とし、帽子を着用しない児童は、日陰のない場所での外遊びをさせないように徹底されています。\\ 
 +強い日差しから目を守るためのサングラスの着用や、登校前に日焼け止めを塗ることも推奨されているそうです。\\ 
 +\\ 
 +==== 高等教育 ​==== 
 +高等教育は、主に専門学校や大学で行われます。\\ 
 +大学は、準学士や学士などの学位を取得する課程を提供。修業年数は、ディプロマが1〜1.5年、上級ディプロマが2〜3年、普通学位の学士は通常3〜6年で、優等学位を取得する場合は、さらに1年必要です。\\ 
 +大学院では、学士取得後に1〜2年以上の修士課程または、優等学位取得後に1年以上の修士課程、通常3〜4年の博士課程が設けられています。\\ 
 +大学と大学院は、基本的に2学期制で、入学時期は2月と7月です。\\ 
 +年に1回しか入学を受け付けていないコースや、年に数回受け付けているものがあります。\\ 
 +\\ 
 +オーストラリア国内にある大学の大半が国公立で、学校数自体は40校ほどですが、各校で高水準の教育を受けることができます。\\ 
 +アメリカやイギリスと比べると、留学生の受け入れに積極的なこともポイントです。\\ 
 +一部規制や条件がありますが、学生ビザを取得し、オーストラリアの大学や大学院を卒業した後、その学習内容を生かすため、卒業生ビザを取得できる可能性があるなど、留学生にとっても学びの環境が開かれていると言えるでしょう。\\ 
 +\\ 
 +また、大学の他に、後期中等教育段階以上の人を対象に就職や高等教育機関への進学に役立つ職業教育訓練「VET」の資格を提供する機関があります。\\ 
 +各州が管轄・運営する「TAFE」と呼ばれる公立の職業専門学校や、正規に機関登録された民間の職業教育訓練機関「RTO」などが挙げられます。\\ 
 +そういった機関には、インターンシップが含まれているコースがあり、高校を卒業したての若者から社会人まで、幅広い年齢層の人が通います。\\ 
 +{{ :​education-system:​い.png?​nolink&​400|}} 
 +就学期間は、取得を目指す職業資格の水準に応じて異なり、VET資格の種類と期間は以下のとおりです。\\
   * サティフィケート1(4〜6ヶ月)   * サティフィケート1(4〜6ヶ月)
   * サティフィケート2(6〜8ヶ月)   * サティフィケート2(6〜8ヶ月)
ライン 35: ライン 62:
   * ボケーショナル・グラデュエート・サティフィケート(6ヶ月)   * ボケーショナル・グラデュエート・サティフィケート(6ヶ月)
   * ボケーショナル・グラデュエート・ディプロマ(1年)   * ボケーショナル・グラデュエート・ディプロマ(1年)
- +\\ 
-TAFEなどの専門学校で得られる資格は幅広いジャンルがあります。会計・金融・マネジメント・マーケティングなどのビジネス、IT、建築、航空・自動車・土木工学・海洋技術などのエンジニアリング、チャイルドケア、高齢者介護、医学、調理・旅行業などのホスピタリティー、演劇・ファッション・ウェブデザイン、写真などのアート、フィットネスなどさまざまです。人気のコースは、定員に達し次第、締め切られます。 +TAFEなどの専門学校で得られる資格は幅広いジャンルがあります。\\ 
-また、オーストラリアには、数多くの語学学校が点在しており、英語力の向上を目指す留学生を各国から受け入れています。一般英語はもちろん、IELTSやTOIEC、TOEFL、ケンブリッジ検定などの試験対策を目的としたコース、TAFEなどの専門学校や大学・大学院に入学するために必要な英語力を習得する進学準備英語コースなどが充実。オーストラリアで高等教育を受けるための資格を得るために、語学学校に通う人も多く見られます。進学準備英語コースを修了することで、提携校に進学する場合、英語能力試験が免除となることがポイントです。 +会計・金融・マネジメント・マーケティングなどのビジネス、IT、建築、航空・自動車・土木工学・海洋技術などのエンジニアリング、チャイルドケア、高齢者介護、医学、調理・旅行業などのホスピタリティー、演劇・ファッション・ウェブデザイン、写真などのアート、フィットネスなどさまざまです。人気のコースは、定員に達し次第、締め切られます。\\ 
- +また、オーストラリアには、数多くの語学学校が点在しており、英語力の向上を目指す留学生を各国から受け入れています。\\ 
-その他、非英語話者への英語教育TESOL・TECSOLなどの資格取得を目指す英語教師養成コースや、医療・ITなどの専門職や特定分野で必要となる英語力を身に付けるための専門英語コースなどが用意されています。語学留学の目的は多岐にわたり、大学生や社会人の留学だけでなく、引率者が同伴する小・中・高校生のグループ留学や、子どもと保護者が一緒に参加する親子留学など、さまざまなスタイルがあることが特徴です。 +一般英語はもちろん、IELTSやTOIEC、TOEFL、ケンブリッジ検定などの試験対策を目的としたコース、TAFEなどの専門学校や大学・大学院に入学するために必要な英語力を習得する進学準備英語コースなどが充実。\\ 
- +オーストラリアで高等教育を受けるための資格を得るために、語学学校に通う人も多く見られます。\\ 
-オーストラリアは、英語圏であることに加え、治安や気候が良く、高い教育水準、大らかな国民性、多民族主義であることから留学先として魅力的な要素が多い国だと言えます。ぜひ、オーストラリアの教育制度をしっかり理解し、特徴を踏まえて留学の参考にしてください。 +進学準備英語コースを修了することで、提携校に進学する場合、英語能力試験が免除となることがポイントです。\\ 
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 +その他、非英語話者への英語教育TESOL・TECSOLなどの資格取得を目指す英語教師養成コースや、医療・ITなどの専門職や特定分野で必要となる英語力を身に付けるための専門英語コースなどが用意されています。\\ 
 +語学留学の目的は多岐にわたり、大学生や社会人の留学だけでなく、引率者が同伴する小・中・高校生のグループ留学や、子どもと保護者が一緒に参加する親子留学など、さまざまなスタイルがあることが特徴です。\\ 
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 +オーストラリアは、英語圏であることに加え、治安や気候が良く、高い教育水準、大らかな国民性、多民族主義であることから留学先として魅力的な要素が多い国だと言えます。\\ 
 +ぜひ、オーストラリアの教育制度をしっかり理解し、特徴を踏まえて留学の参考にしてください。 
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 参考:[[Australian Government, Australian education system 参考:[[Australian Government, Australian education system
 https://​www.studyinaustralia.gov.au/​English/​Australian-Education/​Education-system]] https://​www.studyinaustralia.gov.au/​English/​Australian-Education/​Education-system]]
教育システム/オーストラリアの教育制度.1591689098.txt.gz · 最終更新: 2020/06/09 16:51 by ryugakupedia